まめじろー

SISU/シス 不死身の男のまめじろーのネタバレレビュー・内容・結末

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

後半に試写会上映後のトークショーで印象深かった事柄を箇条書きにした物を載せています。


SISUとは不死身という意味ではなく、フィンランドの訳せない言葉で俺は諦めねえ!というニュアンスの言葉。

老兵のアアタミはゴールドディガー(金鉱掘)としてツルハシで金鉱を掘りながら愛犬ウッコと馬と旅をしているが、ナチス戦車隊に目をつけられて容赦なくやり返す。絶対に諦めない。

ツルハシ1本で闘うとあるが、割とそこら辺の物で闘うワイルドスタイル。
絶対に死なないと分かっていても、もうこれはダメでは?流石に無理では?と何度思っても生きる事を諦めない強すぎるアアタミ。
まさにSISU。

とにかく強い爺さんが悪い奴(とても分かりやすくナチスドイツ)をやっつける映画。

セリフが極端に少ない。
アアタミに至ってはラストのみだが、それまでの演技は素晴らしく表情や呼吸1つをとっても魅せてくれる素晴らしい俳優。

チャプターがネタバレで親切。
犬のウッコが賢い。無事。
アアタミとウッコが再会する度にヨシ!と安堵する。
女性も強くてスカッとする。
テンポが良く無駄なシーンがほぼなく、観終わった後にもう1度観たくなる。

何か目的があって金塊を取り戻したり換金したりするのかと思ったが、生活の為だったんだろうか。

「不死身の男」とチャプター1が黄金で始り、動物も愛でるので、ゴールデンカムイの杉元佐一ぽいなと思いながら観ていた。


◎トークショーでは、進行に中谷裕介さん、DOMMUNE 宇川直宏さんが登壇。
映画のブチ上がるポイント、監督との貴重なお話も聞けました。

・監督が好き勝手やる!という脚本が初稿で最終稿(イメージイラストも描いていたのがこの映画の勢いなのかもとの事)。
・監督自体がSISUであり「俺まだ道の途中だから」というお言葉。
・ランボーとかマッドマックスに近いテンションMAX状態。
・タイトル決めないまま撮っていたが、これSISUだろ!となった。
・狙った訳ではないがチャプター毎の時間はほぼ変わらない。
・後からチャプター入れたら周りから好評だった。
・女の「あの男が何者か知っているのか?」の言葉を知った後に2回目を観るとブチ上がるポイント。
・武器もなく、隠れる所もないのはアクション映画的にはやりにくい。
・主人公アアタミ演じるヨルマ・トンミラさんはまず当時どうやって砂金を掘っていたか調べた。
・犬のウッコ(テリア)はヨルマさんの実際の飼い犬。可愛い。賢い。
・監督の国フィンランドで撮影。
・遮る物がない強風の中での撮影はみんな震えていて大変だったが、アアタミが吊られるシーンだけ無風になり撮れた。
・北欧は女性参加が多いベースがある為、6人が頑張っていたのも納得。強い。
・監督はハリウッド映画好きの元CM監督で自主映画の主人公は今作のヨルマさん。
・街が燃えている時の悲しげな表情からアアタミはただの殺人マシーンではない事が伝わる。
・パンフデザインはマッドマックスの方と同じ。
・応援上映希望が多い。

Filmarksさん応募での試写会にて鑑賞。
貴重な機会をありがとうございました。

悲しい事に馬は死ぬが犬は無事。
グロい描写多め。