イベリー子豚

星くずの片隅でのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

星くずの片隅で(2022年製作の映画)
5.0
「説明じゃなく」
「奥行きと余韻で細部を想像させてくれる」
「ネオかわ・ガチ中華『万引き親娘』」
「名言や説教クサさの無い、等身大の
ヒューマンドラマ」
「日常系であり」
「コロナ禍1年目初期であり」
「人間讃歌であり」
「ちょいグルメ要素アリで」
「たまに『海街diary』」
「《コミコンには間に合うかな?》」
「《先輩が教えてくれた。異臭を隠すには焼いた肉が一番だ》」
「《節約は大切だけど……絶対に譲れないものはあるよね》」
「世知辛くて憂鬱で閉塞感たっぷりなのに
希望と未来に浸れるユルくて不思議な
新☆感覚・香港ニューシネマでした!!」






あらやだ、またよ。


才能とセンスしかない。

一体、今年何本目のシカナイ案件なのよ。

直近の
『アイスクリームフィーバー』でも
多いにいただいちゃったワケだけど……。

傑作のインターバルが短くない??


もっとも
「オシャエモ群像劇」のアチラが
【今泉】スタイルならば
「実録・貧困社会派ドラマ」の本作は
笑いと闇が控えめな【是枝】監督、かな。


「登場人物に演技を感じさせない」
ナチュラルでシンプルな演出がそっくり。


さすがに日本とは文化が違うけど
「あの頃の香港、世界ではこんなことが
あったんだろうなぁ」の説得力たるや。



「パンデミックと憶測から」
「混乱と不安に社会が停止して」
「距離感とマスクが欠かせない」
「非日常の毎日」でも
「楽しいこと」「笑えること」
「心が優しくなれる瞬間」はきっとある。


「ニュース」や「SNS」には残らない
ささやかで馬鹿馬鹿しくて
「宇宙から見たら星屑」みたいな
ご近所レベルの小さな「幸せ」。


『Ribbon リボン』
『散歩時間』と同じく
「ここの切り取り方」が繊細で秀逸で
オンリーワンなんですよ。


人生は残酷で容赦ない。

誠意をもって真面目に働いても
儚く消え去るものばかり。

でも努力を諦めるのは、まだ早い。


優しい映画ですよ。
愛する喜びに満ちあふれてる。


夏の日差しに輝く
ノースリーブ・クロップド丈も素晴らしいですね。

「ポッキーの頃のガッキー」
はたまた
「AIアバターで最高純度まで精製された
上位互換フワちゃん」でござる。



韓国や台湾以外だって
まだまだ夢を見させてくれるじゃないか。



『恋する惑星』には
全くハマれなかったイベ子でしたが
この「雑居ビル物語」は
忘れられない一本になりそうです。




《人生に必要なのはレモンソーダと串焼きだ》