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逃げきれた夢のHKのレビュー・感想・評価

逃げきれた夢(2023年製作の映画)
2.8
主役の光石研とは同い年で同じ北九州市出身。
北九州市オールロケで会話も懐かしの北九州弁。
しかも、普通のおっさんの物語と聞いて、感情移入は必至とばかりに観に行きましたが・・・
う~ん、面白くない。
感情移入も・・・ほぼなし。

なんだか全てが中途半端。
認知症の危機の話なのか、家族の危機の話なのか、職場の危機の話なのか、どれも深刻なようでそうでもなくで、危機感があるような無いような。
教え子とのやりとりもやっぱり中途半端。
人生なんてどうせ中途半端、と言いたいのなら、それは伝わってきたとも言えますが・・・そうなの?

それと、北九州市出身の光石研より福岡市出身の松重豊の北九州弁の方がシックリきたのはナゼ?
松重豊は北九州の寂れた商店街にリアルにいそうな小汚いオヤジを快演。
光石にいじられる度に発する「しゃ~しぃ~」もとても自然で、この2人のやりとりだけがほんの少し楽しめました。

タイトルの意味もいまひとつピンと来ず。
夢の中で何かから逃げて、結果的に逃げ切れてホッとしたということ?どこが? むしろこの映画を観ても現実に近すぎて逃避は不可。
解説には“人生のターニングポイントを迎えた男が、新たな一歩を踏み出すまでの日々を描いた希望の物語”と書いてありますが、どこが新たな一歩なのか全くもって不明。

私にはこの映画、主人公のこれからも続く虚しい日々に加え、徐々に記憶まで失くすとすれば、希望どころか暗い未来しか見えません。
主人公も本作中でわずかでも成長したようには見えず、自分勝手にすら思えます。残念。
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