【映画の醍醐味は《嘘》】
いやぁ、参った。
大ボラをかました後できっちり説明を加えるのが一般的な作劇だが、本作はさにあらず。
嘘に嘘を重ねて更に嘘を上塗りしていく。その加速力で有無をも言わせず、力業で観る者を捻じふせてしまうのだから、アッパレとしか言いようがない。
いつしか大嘘を受け入れさせられ、闇鍋のような作品世界に没入していると、物語の幹から伸びる、切れ味鋭い枝の数々にグサグサと刺される始末。
そう、強引に嘘物語に巻き込んだ挙げ句、我々の罪を用意周到に突きつけるのだ。連続TVアニメの30分という枠までぶち壊して!
ぶっちゃけ嫉妬しちゃったなぁ。かつて憧れた創作の醍醐味が、ここにはたっぷり詰まっている。
☆敢えて具体は一切書いていません。少しでも興味を持たれた方はすぐに観て!