Kachi

【推しの子】Mother and ChildrenのKachiのレビュー・感想・評価

4.6
【鮮烈な序章】

原作ファンでアニメ化も期待していた本作。原作の1巻を丸々使った、アニメ1話としては異例の90分弱の尺を使っているにもかかわらず、長さを一切感じさせない作りになっていた。

アニメ化にあたり、声優の演技、作画、音楽が作品の世界観を決定づける上で重要になるが、全てがこの上ない品質だった。

まずは声優さんだが、アイを演じた高橋李依さんが抜群にイメージ通りだった。からかい上手の高木さん」の高木さんをはじめ様々な役所を演じているが、アイの天衣無縫な感じがよく出ていた。

作画・音楽は、終盤のアイの最期やその後の復讐心に燃えるアクアの描写で、これ以外に正解があるのか…?と思えるほどセンセーショナルに表現していた。アクア(ゴロー)がトラウマになることが理解できるような崩れゆくアイの絵。単に悲壮感ある音楽とせず、アイが「悲哀のアイから愛情溢れるアイ」へと変化できたことを言祝ぐような温かみも感じる音楽は、そのシーンだけ何度も観たくなるレベルだった。
Kachi

Kachi