原作未読。
孤高の作曲家清澄と同じマンションに住む潮との邂逅から物語は始まる。マンガ原作であるが故に、一部展開を端折った可能性が高く、惜しいと思うところがあった。
清澄の過去は、それとなくあるバンドマンあるあるで想像ができるが、潮の心理描写が想像し切れなかった。きっと恋愛脳に切り替わるとつい世話焼きになりすぎて煙たがられるという恋愛遍歴なのであろうことは想像されるものの、清澄を外の世界に連れ出していくヒロインとしての推進力という意味では、少し弱いのかとも思った。
もっとも、演じている桜田ひよりさんが映える演技をされていたので、そこで説得力を付けていた印象をもった。
鑑賞後、Spotifyで楽曲を一通り聴いた。原作に音がないことを考えると、この作曲部分が1番力の入れどころであったのだろうと想像された。実際、清澄の内向性とそこからの解放というコントラストは、音楽で十二分に表現されており、作り手の苦労が垣間見えた。