Kachi

1秒先の彼のKachiのレビュー・感想・評価

1秒先の彼(2023年製作の映画)
3.5
本作も清原果耶さん目当てで鑑賞

台湾原作との比較が必要だと観終わってから思った。と言うのも、私とどうしても波長が合わないことが多い宮藤官九郎脚本だったため(ドラマ「不適切にもほどがある」は素晴らしかった)。
原作をうまく活かして日本版にアレンジしているのか、その試みは上手くいかなかったのかが分からないからだ。

総論としては、構成面での面白さの割にカタルシスが少なかったという感想。W主演と言いながら、なかなか出番が訪れないレイカ(清原果耶)を待ち遠しく思いながらも、岡田将生演じるハジメがいかにも残念なイケメンで面白さは満点だった。

中盤のレイカパートからの伏線回収は見事。原作を観ていなかったため、初めは「無くなった1日」というのは、ハジメが記憶を喪失するくらい昨日がショックな日だったからというような見せ方に出来ていた。失われた1日は、本当に失われていたのだ。(映画的にはありな設定で)

ちゃんとレイカが事故から生還し、ほぼ1年越しにハジメの父との約束を果たす形での着地だったが、その後のストーリーは観る人に委ねるということだろうか…?幼少期の心の支えだった人と再会をするという王道の展開ではあったが、普通に結ばれてもよかったのではないかと思われ、エンドロールが流れ始めた時につい「えっ」と言ってしまった。

作中の節々にユーモラス満載で面白い仕掛けをたくさん施していただけあって、締めがあっさりだったところに落差を感じたのは私だけではなかったはず…

ちなみに、京都の街並みは私の故郷。祇園も平安神宮前(応天門)も鴨川も下鴨神社も(ついでに3回しか行ったことがないけど立命館大学も)、ロケ地だったのかと思うと感慨深い。レイカが立命館から応天門前まで自転車に乗っていくのは、随分な大移動ではあるが、おそらく同志社から応天門くらいまでのイメージなんだろう。
Kachi

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