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マディのおしごと 恋の手ほどき始めますのmaverickのレビュー・感想・評価

4.1
2023年のアメリカ映画。主演はジェニファー・ローレンス。


ジェニファー・ローレンスのキレた演技が炸裂。彼女らしいはじけっぷりが魅力の作品だ。彼女が演じるのは32歳のウーバードライバー。生活はだらしなく、町でも有名なトラブルメイカーといった様相。はじけた演技に加えて本作では大胆なシーンにも挑んでおり、これには驚きであった。元々そういう役柄も難なくこなしてきた彼女ではあるが、プライベート写真の流出の件以降、さらにそういうイメージに固定されてしまった感はある。汚れ役とまではいかないが、ちょっと可哀想だなと。劇中では若い子からおばさん扱いされていて、それも何だか悲しかった。でもそれを跳ね除けてみせるのが彼女の凄いところ。そんな痛々しい役柄も見事に演じてみせ、愛嬌たっぷりのこの主人公に好感を持たせる。主人公のマディは、ただ痛々しいだけのキレたキャラではなく、繊細で心優しい一面も持った可愛らしい女性。どちらをとっても魅力的だと、そう思わせるのは彼女の女優としての表現力の高さによるものだ。こんな子がいたら恋に落ちるのは必然と、そう思わせて作品に説得力を持たせている。こんな作品にも出るようになったのだなと鑑賞前はそう思ったが、彼女が出演しているからこそ本作は大いに魅力的であった。良作である。

引きこもりがちで内気な性格を両親に心配されている高校生のパーシー。まずはきっかけだと、マディはそう彼の両親から頼まれる。まずはきっかけというのは確かにそうだなと。自信が無いから躊躇して踏み出せないのは何にしても同じこと。経験することでそこから自信に繋がってゆく。失敗がトラウマになったりもするけど、行動しなければ何も始まらない。失敗を糧として成長してゆくことが正しい選択だ。過保護すぎる両親と過激すぎるマディに翻弄されるパーシーには爆笑だが、彼はそれを受けてしっかりと成長してゆく。このパーシーの成長物語としても感動的であり、二人の恋愛模様が素敵で微笑ましい。こんな形で出会い、結ばれる二人も素敵だなと。そう思わせる話だ。


ジェニファー・ローレンス出演作だからと鑑賞してみたが、期待以上の感動をもらえて大満足。出だしが下品だけど、最終的に感動で上書きされちゃうのはアメリカ映画ならではだね。
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