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ロードハウス/孤独の街のmaverickのレビュー・感想・評価

ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)
4.2
2024年のアメリカ映画。Amazon Prime Videoで3月21日より全世界同時配信された。1989年製作のパトリック・スウェイジ主演による同名タイトルのリメイク作。


主演が大好きなジェイク・ギレンホールということで鑑賞。これは当たりだった。監督は『ボーン・アイデンティティー』のダグ・リーマン。格闘シーンの興奮度がリアルに伝わる演出が見事だ。ジェイク・ギレンホールは元格闘家の主人公を骨太に演じる。2015年の『サウスポー』でも見せた引き締まった体つきが役柄に説得力を与える。この主人公は静かな男でありながら、奥には底知れぬ怖さを秘めている。ジェイク・ギレンホールならではと感じさせる深みのある演技が素晴らしい。後半のキレっぷりもヤバかった。彼にはこういう役がぴったりだ。

オリジナルの方は未見。そちらの方はだいぶ酷い評価のようで、ゴールデンラズベリー賞で5部門にノミネートした。リメイクしようと思った動機については謎だが、現代版にアレンジされた本作は見事にブラッシュアップされていて良作へと仕上がっている。それは監督であるダグ・リーマンの撮り方と、ジェイク・ギレンホールの凄味のある演技によるものだ。脚本は決して良いとは言えないが、見せ方が上手いのでそちらはさほど気にならない。お気楽な陽気さと、不穏な雰囲気とが入り混じった全体のバランスも見事だ。島のギャング達もどこか憎めなかったりで、それぞれのキャラクターにも愛着が持てる。アクションシーンは特筆もので、主人公が元格闘家という点が最大限に活かされていた。格闘家だけに、どこをどう攻めれば効果的というのを熟知している。『ボーン・アイデンティティー』で、マット・デイモンが演じたキャラクターを彷彿とさせる最強っぷりだ。戦い方は鮮やかで笑っちゃうくらいに強い。敵にも頭のネジが外れたようなヤバい奴がいるのだが、主人公も同様に頭のネジが何本か外れている。ネジが外れたヤバい奴同士のバトルが何とも見物だった。


この出来で劇場公開しないとは勿体ない。本作のためにAmazon Prime Videoに入会しても良いだろう。オリジナル版は続編があるが、こちらもそうなのか?期待しちゃうな。
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