磨

バカ塗りの娘の磨のレビュー・感想・評価

バカ塗りの娘(2023年製作の映画)
3.5
高森美由紀の小説「ジャパン・ディグニティ」を実写化、“バカ塗り”との異名をもつ伝統工芸の津軽漆職人の父娘の絆を描いたヒューマン・ドラマ。

いわゆる“ご当地映画”の括りになるのかと思うが、その作業シーンは結構長くその時も台詞も少ない。物語に緩急もなく基本的に静か〜な作品である(笑)
しかし手間を惜しまず、何度も何度も塗る“バカ塗り”のように深みや味を確かに感じる。派手さと無縁の作品なのだけど、これがまた悪くもなく、良質な映画だと感じた。

兄貴のあのネタ必要か?と思ったが、今の映画には必要なのかも‥。個人的には、おやおや?の違和感バリバリだったけど(笑)


素朴で美味しそうな料理を食べる微笑ましく前向きなラストの食事シーンが何よりも◎。
伝統工芸の映画とはいえ、食事の魅力が伝わる“飯テロ”に相当する作品なのかもしれない。
最初に出てきた、老人施設の食事も本物の漆器で食べると本当に100倍くらい美味そうに見えてくる不思議。やはり食器は重要ですね(洗うの面倒だからって紙の皿で食べてるヤツが何を言うのか笑)
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