とらキチ

ネクスト・ゴール・ウィンズのとらキチのレビュー・感想・評価

3.9
自身も挫折した経験のある指導者が、落ちこぼれ弱小チームを栄光へと導く…こんな使い古されたプロットを、タイカ・ワイティティが語るとこうなりますか、といった印象。実際にタイカ・ワイティティ本人が登場して語り部となっているし。
今作の場合、チームを引き上げるきっかけや展開が、スポ根モノの定番「努力・友情・勝利」という単純なものではなく「多様性・寛容性」といった要素も絡んでくるのが今時っぽい、と言えるのでは。
全体的に漂う、南の島ならではユルさが堪らない。そして愛すべきキャラクターのポリネシアン達。特に物語序盤に出てきていた、インド・タミル映画の名コメディリリーフのヨーギ・バーブみたいなキーパー役の子がイイ!更にはポリネシアならではの試合前に行われる、サモアでは“シバタウ”と呼ばれるスタイルの“ウォー・クライ”に心が奮わせられてグッと来る。
終盤、観客の最も知りたい結末を、チームのメンバー各々に語らせ焦らしに焦らす手法が、感動が増す要因になったし上手いなぁ、と思った。
ご本人達の姿の説得力。
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