ちこちゃん

私がやりましたのちこちゃんのレビュー・感想・評価

私がやりました(2023年製作の映画)
4.0
売れない女優と仕事のない駆け出し弁護士の2人が、女優がセクハラに遭い、殺人事件となったことから、これを使ってのし上がって行く、クライムコメディです。

フランスがまだ、フェミニズムがはしりだったころの時代背景です。当然、女性が働くことは疑問視され、女性であることを使って愛人などにもなり生きていくしかない時代、陪審員は全員男性、判事も男性、裁判長も男性と男性ばかり、おまけに、主人公マドレーヌの恋人もあまりに素直で無邪気すぎて、頭が痛くなるレベル、しかも皆が行けてない、こういう状態を単に批判するだけでなく、笑いと風刺という捻りを加えているところがこの作品の見所だと思います。
ところどころにクスッと笑える所があり、社会的風刺をこめている映画であるだけではなく、面白く笑えて楽しめる大人の映画です

それに引き換え、女性達の逞しいこと。弁舌さわやかに筋書どおりに陪審員を説得して無罪を勝ち取り、メディアで名が売れ、スターダムに乗っていくマドレーヌと敏腕弁護士となるポーリーヌ。特に、後半、私がやったと主張するイザベルユペール演ずる無声映画時代の女優の「私も得をしたい!」ということから、一枚噛んでくるこの逞しさ。その魅力を余すことなく演ずるイザベルユペール!全てを持っていきました

とてもフランスらしい映画です。好きな映画でした!

途中、パーティで愛人がいつも自分を触ってきて耐えられないと言っていた女優さんが岸恵子さんに見えて仕方なかった件、、、

最後まで、ニヤッとさせてくれる演出、本当におしゃれな映画です
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