エイデン

予言のエイデンのレビュー・感想・評価

予言(2004年製作の映画)
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大学講師をしている英樹と妻の綾香は、娘の奈々と共に、実家からの帰路に着いていた
綾香が運転をしている間、英樹は後部座席でノートパソコンから仕事のメールを送ろうとしているもアンテナが立たず、電話ボックスを介して送るために、来た道を戻ってもらえないかと綾香に頼む
しばらくして電話ボックスからメールの送信が完了するのを待っていた英樹は、ふと電話帳の下に新聞が挟まっているのを発見する
そこには停車中の自家用車にダンプカーが突っ込み、炎上して女の子が死んだ事件が書かれていたが、英樹は死亡した女の子の名前はおろか顔写真までもが奈々のものであることに気付き、目を疑う
間もなく新聞にある死亡時刻の8時になろうという頃、車内では奈々がシートベルトが外れなくなったと騒いでいた
手を貸した綾香も外すことができず、仕方なく英樹の元へ向かったその時、奈々が乗ったままの車にダンプカーが突っ込み、炎に包まれて彼女は命を落としてしまう
その後 警察や報道関係者が集まる中、パニックになった英樹は、どこかへと消えてしまったあの新聞を探し続けるのだった
3年後
綾香と離婚した英樹は、高校教師として働きながら静かに暮らしていた
そんなある日、荒れたクラスで授業をしていた里見は、若窪という物静かな女子生徒がじっと自分を見ていたことに気が付く
職員室へと帰り試験の採点をしていた英樹は、若窪が答案用紙に通り魔事件の5人目の被害者について意味のわからないことを書いているのを見つける
翌朝になって朝刊を見た英樹は、そこに若窪が書いていた通りの内容が記載されていることに気付き戦慄
その頃 大学で霊能力について研究していた綾香は、念写を得意とする霊能力者 御子柴の協力で実験を行っていた
実験の終了後、綾香は御子柴に新聞を念写してほしいと頼み込む
ある事件の直前に念写されている新聞の写真を手に入れていた綾香は、それが御子柴の写真だと考えていたのだ
御子柴は訳知り顔でそれを断るが、綾香の熱意に負けて話を聞くことに
それらの新聞は“恐怖新聞”と呼ばれ、鬼形という男が研究していたものの、山梨県の弁護士に新聞が届いたという連絡を最後に音信不通となっており、写真はその新聞を御子柴が念写したものだった
鬼形に興味を持った綾香は、その夜 突然おかしな様子の御子柴から「もう逃げられない」という電話を受ける
怪しいと感じ御子柴の自宅へと向かった綾香は、御子柴が念写した恐怖新聞の写真とそれを裏付けるように実際に起きた事件の記事をファイリングした凄まじい量の資料を目にする
その中から鬼形の連絡先を入手した綾香は、御子柴を探して彼女の部屋に向かうと、そこには死んだ御子柴の姿があった
不安に襲われた綾香は英樹に声を掛け、恐怖新聞について調べ始めるが・・・



Jホラーシアター2作目

ドラマ化もされている、つのだじろうの名作ホラー漫画『恐怖新聞』を下敷きにした作品
恐怖新聞に書かれた様々な予言をきっかけに事件に翻弄されていく1話完結の短編集だった原作からは大きく脚色され、原作では宇宙人やらイエティやらまで出てくるところを恐怖新聞に関する事件のみが扱われている
ちなみに原作主人公の鬼形も少しだけ登場しており、原作の続編っぽさも感じられる

恐怖新聞の謎に翻弄されつつ新たな恐怖に見舞われていくストーリーは、真新しさは無いものの手堅い不穏さに包まれててよろしい
やや恐怖のコントラストは悪いけど、見せるシーンはしっかり見せる辺り、Jホラー らしさがしっかり感じられて割と好き

新聞頼りでパッとはしないかもしれないけど、一昔前のホラーを上手いこと現代に蘇らせた作品だと思うので観ましょう
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