こだわりが強すぎて具体的には一切前へ進もうとしないクズ男2人がずっと言い訳を続ける話、ダラダラ、ダラダラと。場末のスナックがピッタリな空気感。
アブノーマルな行為も含め直接的な性描写が多いものの、
ストーリーの中でそれらに必然性があり、
クズ男2人を菩薩のように包み込む、さとうほなみの気高さを際立たせている。
さて、そのさとうほなみが「さよならの向こう側」を歌うエンドロールについて。
最初めちゃくちゃダサいなと思ったのだが最後の最後で一気に逆転する。この逆転まで3点台前半だった私の本作の評価は、一気に好転し、
時間をおいてまた見てみようと思わせるほどになった。
わずか1～2分ほどの逆転劇に大袈裟ではなく鳥肌が立った。
クズ男を演じるときの綾野剛は輝いている。
そして「火口のふたり」でこれもまた見事なクズを演じた柄本佑も、
本作で綾野剛と違う種類の輝きを発していた。
しかし、このクズを2人まとめて余すことなく輝かせたさとうほなみの圧勝であることは言うまでもない。彼女の次回作が楽しみだ。
