鎌谷ミキ

首の鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.7
【ブラックユーモアたっぷりグロい💚な角川映画の大河】

[あらすじetc]
天下統一のために激戦を繰り広げる織田信長(加瀬亮)そんな中、彼の家臣・荒木村重(遠藤憲一)が反乱を起こし、姿をくらます。そこで、信長は自らの跡目相続を餌に家臣を集め、村重の捜索命令を出す。

羽柴秀吉…"ビートたけし"
明智光秀…西島秀俊
難波茂助…中村獅童
曽呂利新左衛門…木村祐一
黒田官兵衛…浅野忠信
羽柴秀長…大森南朋
徳川家康…小林薫

[レビュー]
昨日は神戸で阪神オリックスパレード見に行ってたんで(これはこれで最高✨)今日二人で観てきました。カレはほぼ満足(私もだけど、ブラックユーモア過ぎるのが若干マイナス)で、私は『ジョン・ウィック4』からR-15作品劇場で2作目ということもあり、予想より大丈夫でした。まぁ、グロいけど🫠

グロいのがやりたいというよりは、綺麗事を全く描かない大河をやりたいという意気込みはアチラコチラで感じられる力作でございます。

コメディというか、ブラックユーモアの類になるとは思いますが、なかなかに攻めたものばかりで、これ笑っていいんだろうか?という場面は多かったです。わかりやすい秀吉・秀長・官兵衛のやりとりやマラソン大会?の下りは笑えましたけどね。そこはブラックじゃないから。

ということで、緊張(グロテスクな合戦など)と緩和(人間ドラマ)のバランスはあれぐらいでよかったと思います。コメディ、そんなに多かった??

で、あらすじにキャスト書いてみましたが、これがなかなか面白いキャスティングで。歴史あまり詳しくないから年齢ギャップも感じずに観れたのですが、歴史好きのカレはなかなかねじ込んだ感じらしい。流石に秀吉はわかったよ🤣かなり玄人好みの武将がフューチャーされてるらしく、そこにウケてた。武、やるな!って。

レビュー読んだ後で気付いた!今回北野武が秀吉じゃなくて"ビートたけし"が秀吉やった🤣そうか、この時点でコメディ寄りな秀吉なのね…

肝心な加瀬亮の信長なんですが、掴みが掴みきれなかった…理由は観たらわかるんですが。でも、後半俄然良くなるので大丈夫です。私も一安心しながら、いろいろ口あんぐり(あまりに加瀬亮のイメージからかけ離れた演技だったので)
これは多分パンフにも出てくるであろう、一発撮りの弊害じゃないかな。尾張弁、恐るべし。
温かい目でみてほしい。かなりチャレンジしてますよ。

今回は良い?いい感じ?の光秀だったのかな。そもそも西島秀俊からブラックオーラは出ない…あれ?『きのう何食べた』でもそんなシーンなかったのに…

小林薫の家康がなんかひょうきんでしたね。それでいて頭のキレる。影武者が次々変わっていく下りは最高にシュール。

中村獅童の茂助(実在しない)と木村祐一の新左衛門(実在する)がなかなか。でも茂助って本当にいそうですものね。侍になりたい百姓。北野監督が秀吉だから、中村獅童が代わりにこの物語の中心部を描いてくれたのかなと。それぐらい自由で面白いキャラクターでした。めっちゃ生き生き。

私が推したいのは、何気に信長でも官兵衛(キャラ好き)でもなく秀長の大森南朋です。世界の!キタノ相手に漫才のような掛け合いを要求されてるんですよ、重荷!!でも、やってのけるのが大森南朋。この前の番宣でも加瀬亮、西島秀俊と並んで座ってるだけあります。

どの合戦も流石の角川映画でした。『天と地と』の実績がありますから(のちにパンフでアクションスタントマン100人以上投入していたと知る)

多少のグロ耐性あって、ブラックユーモアが楽しめる人じゃないと向かないのかもしれない。ラストで怒ってた人もいたし…
見たこともない大河にはなっているのではないでしょうか。コンプラ、ク◯食らえ!って、北野監督がいってるんですよねー

…で、いつも通りパンフ書くつもりなんだけど、まだ読みたい?そして、追記↓

[パンフ]
『首』という習字が赤く渋い52p990円

北野武監督
・初期から北野監督が死を呆気なく描くのは、アメリカの海兵隊が南ベトナム解放民族戦線を撃ち◯す映像を見た時のショックがすごかったから。

加瀬亮
・北野監督「信長はイっちゃってる人ね」その一言を意識しながら、とにかく楽しそうにやることを心がけました。
→そこは存分に映像に記録されてます。ニコニコと残酷なことをする信長の狂気。
・馬に関わるうちに、自分は馬に比べれば小さな存在。だからこそ、思い切ってアクション演技した。西島さんがアクション慣れしてるので、自ら大きなリアクションをしてもらったりした。
→例の蹴り続けるシーンですね。流石、受け身のアクションもできる西島秀俊!
・まさかの、鬼気迫る信長を演じる時のテーマソング「アラレちゃん音頭」→加瀬亮どうした?
・中村獅童さんの緊張する姿。51歳の今もその初々しい緊張感を持続されてるのが素敵だなと。
→そういう視点で俳優さんを見てるの素晴らしいとしか。

監督と推しの加瀬亮インタビューだけ。それでも、このボリューム。最後に人物の史実と年表まであるので、歴史詳しくない人向けのお得パンフ(宣伝)

あ、やっぱり北野組は一発撮りっぽいよ👀中村獅童インタビュー読んでると、クリント・イーストウッド監督と同じような現場の雰囲気があるみたいよ。
鎌谷ミキ

鎌谷ミキ