面白かった〜。めちゃくちゃ笑ったし、今後ほとんどの大河ドラマ（NHKのやつ）がバカバカしく見えそうな出来で最高でした（そんなにたくさん観たことないが）。衣装や美術やキャストが大河級に豪華なので尚更。
当たり前だけど、武士だの貴族だのが主役の歴史ドラマって結局はその時代のごくごく一握りの権力者の権勢争いを描いているに過ぎないんだなとしみじみ思い知らされた感じ。武将とか天下人とかいうけど所詮こいつらにとっては民草はおろか足軽も部下もどうだっていいし、自分の権力や私情のためにこれぐらい軽いノリで人を殺したり殺させたりしてた奴らなんですよ〜と言われたほうが、大義やヒロイズムで無理やり粉飾されるよりずっと説得力がある（でも、決して映画自体が人命を軽く扱っているわけではない）。少なくともこれまで自分が観た同じ年代設定の作品の中では一番しっくり来る描き方だと思った。
グロ描写はまああるんだけど作品のトーンとして必要最低限の範囲だったし、女性の登場人物が見世物的に虐待されたり性的に客体化されたりするようなこともなくて見やすかったです。これに比べると『斬、』とか『孤狼の血 LEVEL2』とか『ヤクザと家族』とかってミソジニー丸出しでつまらなかったし最悪だったな（思いついた順）。
俳優陣も全員輝いていた。「面白みのない陰気なお侍さん」の西島秀俊、『ドライブ・マイ・カー』の1000倍良かったです。
