この映画の重要なポイントが『首をハネられたら死亡確認』って事なんだ。
つまり、ドッペルゲンガーさんを金と人海戦術で集めれた家康以外で生首を出さずに死んだと思われている人物が重要なんだ。それがオチに繋がっているので、きちんと観て誰が死んでないかを考えると、より映画の面白みが増す。
とはいえ、常識あるパワハラの信長にはガッカリだわ、生首の扱い方に工夫が欲しいわ、史実なので仕方ないが中盤にダルみがあると悪い箇所も何点かある。
まず、信長のはパワハラでは無くて責任追及が殆どである事かな。能力が無い人間に適材適所するのも結果を出してない人間を処罰するのも至って普通だろう。もっと理不尽な圧力が欲しかった。
例えば、明智の服の色が紫であるのを『わしな、今日のアンラッキーカラーが紫なんだわ。それを知ってオマエは紫のオベべを着てきたんか？わしに不運が訪れてほしいんか？わしの敵か？』的な言い掛かりがあると尚良かった。
また、生首によって賞金が貰えるなら影武者の家康の生首を売ったり、職人芸で生首の造形を変えたりする人物が出てきたり、大将首を大切に棚に入れておいたら腐ってドロドロになって手柄が貰えなかったりと工夫が欲しかった。
影武者も何人も居たけど、一つ屋根の下で同じ顔の家康がぎゅうぎゅうになりながら生活してる場面や、女郎屋で女を当てがわれた影武者たちが女と対面した時は各々が本名を言うが交わる時は各々が家康様と呼ばせる場面とかあったら面白かったと思う。
まぁ、この映画は土台がしっかりしているからこそ、たられば論が成り立つ訳であって、映画としての出来は上々である。
特に処刑の場面はどう撮ったのか分からないくらい工夫がされているし、生首の造形も雑に作っていなくて金が掛かっているのが分かる。
