主人公の平山役を役所広司が演じることに最後の最後まで違和感があり、感情移入できなかった。そもそもあの世界観とストーリーを表現するのに役所広司をキャスティングする必要があるのか、と。平山の相方である柄本時生は役にハマっていたのでギャップが激しい。
また、いかにも外国人が見たい日本、日本人、東京という印象が強く、結果としてどこにもない、誰にも似ていない「東京っぽいもの」が仕上がっており、役所広司のキャスティングへの違和感がさらにその作り物っぽさ(あえてニセモノとは言わない)を強調している。
結局、監督はどういうメッセージを伝えたかったのだろうというモヤモヤだけが残った。平山が行きつけのスナックのママもあの人物設定であれば、石川さゆりでは華があり過ぎる。
外国人から見たら日本人の顔や存在感、オーラは誤差の範囲にしか見えていないのかもしれない。残念だけれども。