レビューを溜めてしまっている作品がまだまだあるけれど、どうしても今日観てきた本作をレビューしたくなったので先に綴ることにする。
ここ最近でいちばん好きな作品でした。
トイレ清掃員である平山(役所広司)は、同じ時間に起きて、身支度をして、丁寧に清掃を行う。同じことの繰り返しのように思える毎日だが、決してそうではない。人生には同じ日など一日たりとなく、木漏れ日のように変化するからこそかけがえのないものなのだ。そう教えてくれた気がした。
また本作には、海外の監督が日本を描く際によく登場するステレオタイプがないことも好感が持てた。あくまでも一人の日常生活に焦点を当て、心の機微をうまく描いている点が観ていて心地良い。
物語が全身に沁み渡るような感覚があったし、流れる音楽もまた聴きたくなってしまうほどすべて魅力的だった。そしてなんと言っても役所広司の流石の演技力。ラストシーンの表情は忘れられない。
日常のささやかな煌めきや生きることの素晴らしさを感じることができる、心のお守りにしたい作品です。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ✄
余談だが、東京の公衆トイレのデザイン性の高さに驚いた🚽
