まさか映画館で観ることができるとは思ってもいなかった。最近リバイバル上映が多くてとてもうれしい。
本作の舞台は1990年台の名もなきアメリカの町。そんな町で周りのみんなを馬鹿にして、シニカルに生きるティーンエイジャーを描いた物語だ。
てっきりポスターにも描かれている、イーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)の友情物語かと思いきや、いい意味で期待を裏切られた。
同志のように思っていたレベッカは高校卒業後に就職し、"大人"の道へ歩みを進めていく。一方でイーニドは自分がどうしたいかも分らぬまま、レベッカにまるで置いてきぼりにされたかのような孤独感を感じていた。
傍から見るとイーニドはイタいと思われてしまうタイプの人間なのかもしれないが、うちに抱える感情に共感せざるを得なかった。
そんな二人の間に現れるシーモア(スティーヴ・ブシェミ)も物語にいいアクセントを与えていて、解釈が分かれそうなラストシーンも印象的でよかった。はっきり描かないことがより物語に深みを持たせていたと思う。
二人のファッションもキュートで楽しめるし、何よりもスカーレット・ヨハンソンの美しさが完成されている…!
思わずクスっと笑える場面もありながらも、心に刺さる作品だった。
(多分自分みたいに根が明るくない人種のほうが共感できると思う。笑)