観に行かなきゃとなぜか公開初日に思い立ち、夜な夜な鑑賞してきた本作。レビューを溜めに溜めてしまっていた…。
心にずしりと響く重厚感のある作品。苦しくて理不尽で、中盤くらいからそこに心臓があるのかと思うくらいみぞおちが脈を打ち始めた。同時に”映画 ”を作ってやるぞというスコセッシ監督の気概を感じ、そのパワーに圧倒された。
本作は史実に基づく小説が原作となっている。実際にこうしたことが起きていたなんて信じ難いほどつらい。生きている限りもっと学ぶべき歴史があるのだと突きつけられる。
内容も然ることながら、俳優さんの演技が本当に素晴らしかった。ロバート・デ・ニーロの血も涙もない悪役ぶり、レオナルド・ディカプリオの人間味溢れるどうしようもなさ、リリー・グラッドストーンの静謐でありながら内に秘めた強き想い。どれをとっても惹きつけられるものがあった。なかでも特に印象的だったのは、法廷でアーネスト(レオナルド・ディカプリオ)が証言するシーン。必見です。
アカデミー賞に10部門もノミネートされているのも頷ける良作でした。