チャチャのパパ

PERFECT DAYSのチャチャのパパのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.4
「日の当たる家」か・・・

前評判は高かったのだが、これほどまでとは。

東京の公衆トイレの清掃員、平山(役所広司)の日常を淡々と追った映画なのだが、平山の日常からだんだんと彼の人柄や過去が現れ来る。

平山はスマホは勿論、家にはテレビも無い。仕事柄、連絡はつかないと困るので、ガラケーはあるが、音楽好きな様で、でも媒体はカセット。んでもって劇中、一発目の曲がTHE ANIMALSの「日の当たる家」だもん。(後半はこの曲の日本語カバーを石川さゆりが歌うと言う豪華な場面も)

平山さんは日々をただ一所懸命過ごし、これに満足してる。小説「高瀬舟」の喜助の様だ。

それでも、周りの人が何やかんや絡んでは、彼の日常を少し乱すのだが、それも彼は受け入れるのだ。

「あー、こんな生き方できたら良いよなぁ」と昔読んでた「浮浪雲」を思い出す。

そして後半、ある人物が平山さんとこに転がり込んで、どうやら彼の昔が若干垣間見えるのだった。

劇的な事は何も起きないし、どんでん返しとかも無い。でも主演の役所広司をはじめ、周りの演者も力のある人が固めていて、観ていて本当に良かったなぁと思た。

コレは今年のNo.1かも。