このレビューはネタバレを含みます
清掃員の日常を描いた作品なのかな?
役所広司が凄いらしい。静かな話とも聞いている。
映画館じゃないと絶対に見られない作品だった。
トイレの清掃員である平山さん(役所広司)が過ごす日々を映し出す映像。本当に何も(映画の主人公らしいことは)起きなくて。
淡々といつもの日常。でもそこに色々な要素、人との繋がり、影が重なり合って、ひとつひとつは違う内容で、それでも全体を見たら同じに見えて。
家族と疎遠でも、一人でもいつも行ける居場所と心の安息地、大切なものがあれば孤独ではなくて、安定して生きていける。そういう希望の話でもあった。
それに繰り返しに見える日常の中には些細な、にこっとできるくらいの何かがあって、それに気づけるかどうかが幸せに近づく一歩なのかなと思った。
運転中の役所広司のガチ恋距離、慣れなくて毎回笑ってしまった。そんな近くなくても。
役所広司が絶対に日々の中で上を向くから、もう少し自分も上を見てみようかな。
にしても本当に何も起きないし、何も起きないという事前情報を持ってしても、些細な変化を見届けたくなるんだから役所広司は凄い。
序盤でかなりトイレに行きたくなったけど何も起きなすぎてどこにも抜けるタイミングがなかった。
面白かった!!とは言えないし、いい話だった!!とも豪語はできないけど、いい作品だった。
あと凄く本を読みたくなったな。
何か買って帰ろうと思う。