ウォーターライブラリー

PERFECT DAYSのウォーターライブラリーのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.3
白と黒の、光と影の世界のイメージがたびたび挿入される。それは1日の終わりに定期的に挿入される夢幻のシーンだけではなく、役所広司演じる清掃人が撮影し現像される写真にも当てはまる。この2つに通ずるのは過去のことに起因している点である。前者はその1日にあったことをもとにした映像として、後者は主体的に撮影した記録として、白黒のイメージがあらわれる。過去と現在進行の関係が同等の関係で結ばれる。

その関係はこの映画の清掃人の生き方によっても描写される。すなわち、過去的なメディアを所有しそれに囲まれながら生きつつ、現在進行で生きる植物を家の中で育てる。こうした生き方によってである。

余談だが、公衆トイレが物語を動かす点においては、ファスビンダー『第三世代』に通ずる点があるように思った。