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PERFECT DAYSのhhのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

人から内容と感想を先に聞いてたので流れは分かってたし絶賛寝不足だし寝ちゃうかもな〜と思ってたけどそんなこと無かった。
その感想を聞いたときは、平山の妹が抱いたであろうトイレ掃除という仕事に対するあの感じで描写されてたけど、良い職業に就いて良い生活をしなきゃという意識がある中、トイレ掃除という職業は所謂そういう良い職業とは呼ばれてないわけで、でもそういう生活でも良いんだよと肯定してくれてる感じの映画なのかなと思ってたけど、実際に鑑賞したらそれよりは別の感想になったかも。
こういう生活でもいいんだよじゃなくてこういう生活もできない自分が嫌で消えたくなったというか…これはこの仕事を見下したいわけでもここまで丁寧に暮らしたいわけでもなくて、そもそもきちんと起きてきちんと仕事をするということを出来てない自分を嫌悪してるわけなんだけども…
トイレ掃除といっても綺麗なトイレしか登場しなかったから、それが画面と平山の清潔感に繋がってそうだしその清潔感が良かった。

序盤から役所広司のちょっとした笑みが出る度に良すぎてなんか泣きそうになって、よくわからないけど最後で涙こぼれてしまった。最後の表情は失恋?死を身近に思って??など考えるけど良くわからない。既に泣き腫らして充血した目にも見えるけど考えすぎて寝不足で目が充血してるようにも見えるしで。
自分の離れて暮らしてる自営業の親族が、もっと孤独感あって丁寧さは無いけどこういう自分の中の秩序で動くひとりの生活をしてそうで、思い出して余計に泣きそうになったのもあるかも。

トラブルに怒って疲れて電話に怒鳴るところは自分が他人の怒気に敏感なんだなと改めて思った。そりゃ怒るよなという流れだったけど、平山もそんな声を荒げることあるんだと思ったりした。
日々のルーティンを崩さないように生活してるようでいて、たまに崩れても(というか変化しても)それも楽しんでるように見えてちょっと良かったし、質素な生活からは想像しづらいくらい趣味がちゃんとあったり、当たり前に泣くことがあったり、あまりにも崩れると流石にしんどいのとか怒鳴ることもあるとかで、現実であんなに無口な人・ロボット的なほどしっかりしたルーティンを持つ人と関わったことがないからというのもあって平山に人間味をあまり感じなかったところにそういう要素が加わって人間味を感じられたのも良かった。
やけ酒とタバコのシーンは、あの衝動的な行動はやっぱり飲み屋のママに少なからず好意があって、ショック受けた故の行動なのかなと思うし、その後、夜寝られずになのかわからないけどルーティンを崩してまで考え事してしまうあたりも平山なるものを人間にしてる感じがした。

最後だったかにホームレスの肉体が出てきたときホームレスにしては筋肉があるように見えてビックリしたけど田中泯だったので納得した。
自分の親族の不貞行為を思い出してしまう年代の役者さん達だったので要らない所で親族を思い出して複雑な気持ちだったけど見て良かった。

金髪の女の子の不意打ちに対する平山が可愛かった。ニコちゃんもそうだけど無害なオジサンと少女の組み合わせってやっぱ皆好きなのかなと思った。
ニコちゃんの自転車どこから来た??ていうのがずっと気になってる。
今度は今度、今は今 のセリフを反復するシーンが、急に演技がかったというか非現実すぎるというか小劇団の舞台みたいに思えて現実に引き戻された感じで嫌だったりもした。

地下鉄の飲み屋みたいなところの店主がとても好きだった。私もお帰りとおやすみグッバイを言われたい。
ああいう丁寧な生き方をしたいっていう意味で、平山の生活に憧れる人がいるのは分かるなと思った。
平山は無口な割に基本愛想は良くて普通に笑うし人間自体は好きそうで面倒みも良いし気遣えるし、めちゃくちゃ優しくて良い人なんだろうなとわかって大好きになった。日々のちょっとした変化を楽しめる人というか、大事にできるというか、かと言ってルーティンをこなすことも楽しめてそうなのも良い。

最後の「木漏れ日」の説明がなんかずっと引っかかった。私は木漏れ日を木から漏れた日の光の、地面などに落ちてる光のことことだと思ってるけど、あの説明だと「その一瞬のこと」みたいなことが書かれてたので、ん??と思って、でも調べたらその日が漏れてる光景のことらしいのでへぇ〜と思った。落ちてるもののことというより光景のことなのかと。
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