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オッペンハイマーのskm818のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.8
原爆の父と言われる科学者の半生を描いた映画。登場人物がやたらと多く、皆せかせかと動き回っている上に、扱われている複数の時期が交互に出てくる構成で、話がかなりわかりにくい。途中ちょっとうとうとしたんで余計にわからんのかもしれん。原爆開発の様子に割かれる時間はかなり多い。ロスアラモスの実験成功を無邪気に喜びあう科学者たちや、原爆が使用されれば何が起きるか薄々わかっていたがあえてスルーして自分はただの科学者にすぎないと言い訳をする主人公の姿も描かれる。オッペンハイマーが共産党のメンバーと若い頃からつきあいがあったこと、そのせいでスパイを疑われたことにも尺が割かれている。むしろそっちの場面のほうがメインじゃないかな。若い頃の交友関係と水爆の実用化に異を唱えたことで目をつけられている。それにストロースという原子力委員会の重鎮に憎まれ、延々尋問される羽目に。このストロースを特殊メイクのロバート・ダウニー・Jrが演じているんだが、アカデミー賞授賞式での残念な態度と相まって実に下衆な小物という印象になっていた。とりあえず、単純に原爆投下は正しかったとかオッペンハイマーを偉人と称える映画ではないのは確か。
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