おまつり

落下の解剖学のおまつりのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

とっても面白かったんですけど、フライヤーおよびティザーでイメージをかなりサスペンスに寄せたなあ?!(確信犯)という印象。
それを期待して観たら思ってたんと違う…となったかもしれない。いつも思うんだけど、それって結構もったいなくないですか?観てもらわないと始まらないのはわかるんですがね。。期待と満足度って比例するから…

ということで気を取り直して。
サスペンスじゃなかったらなんと言う?
わたしは「現実のホラー」だと思いました。

ミステリーやサスペンスドラマって真実が解き明かされてまさしく“解決”するじゃないですか。(事件の解決とはまた別でも)

そのスッキリ感は本作にはありません。
でも真実とは別の“解決”があります。

主人公である妻も息子も「夫・パパが突然死んで悲しい」ってことは何も変わらないのに、ひとたび自分(ママ)が殺人の容疑をかけられたら…悲しみさえ奪われ、メディアのネタになるだけ。ホラーじゃないですか?

そしてなお、「ママは殺してない」が真実だとは断言できない。「考えられない(そうあってほしくない)」だけ。息子ダニエルは選んだだけ。すでに死んでしまったパパは取り返しがつかないけど、ママが実際どうであろうとママとはこれからも生きていける(と思ったかどうかは知らんけど)。そこにたどり着くまでの不快な雑音を淡々と描き、視聴者はまさに傍聴席またはテレビの向こう側の一員となる仕組みが上手い。あーこれ現実だなぁとゾッとしました。

ちょっと雑音パートが長いんですが、みんなお芝居が上手いしたくさん伏線も潜んでいるので没頭できれば勝ちです!
ワカルお友達におすすめしたい作品です。
(ちなみに、観るまで「告白、あるいは完璧な弁護」みたいなやつかなーと思ってました←すき!)
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