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落下の解剖学のYMのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
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トリックがあり「犯人」がおり「真実」が明らかになる話ではない。
サスペンスやミステリーではない。法廷劇。
ひりつく感じのサスペンスを想像していたので、ほとんどが裁判シーンで面食らった。かなり淡々としているが、終始緊張感が続くので疲れた。映画館が傍聴席になる。

結末などない。
あるのは起こった事実とその証拠。想像でものを言う意味のなさとそれで揺らぐ人の心。全てを過去と検証して、どちらかを選ぶ。心を決める。頼りなさすぎる。皮膚を切り内側を覗き取り出された内臓のように。
結果はあるが、そこで終わるわけではない。人生は続く。

イヌ大好き人間としては本当に美しくかわいいイヌが出てきて最高なんだが、ひどいことをされるシーンがあるので嫌な気持ちにもなった。

グッとは来なかったけど、面白かった。
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