3人家族の暮らす山荘で、父親が転落死する。自殺と思われた事故だったが、前日の夫婦の喧嘩の証拠等から、妻サンドラに殺害容疑がかけられる。証言出来るのは視覚障害の息子ダニエルのみ。裁判を通して知られざる夫婦の秘密が明らかになっていく。
“解剖学”というユニークなタイトルで、状況証拠から色んな可能性を検証してみるスタイルのミステリーかと思いきや、段々と夫婦生活を覗き込むことに軸を置き始める本作。裁判で出て来る証拠の録音を一生懸命聴いたりするんだけど、ふと我に返ると、やや過激ではあるもののよくありそうな夫婦喧嘩を、法廷の人達や映画を観てる劇場の人達が真剣に聴いて粗探ししてるのが、良い意味で違和感で不思議体験だった。夫婦なんて毎日一緒にいて、ほんの数分切り取った録音聴いただけで2人の関係性なんて他人には分からない。息子の前であの裁判はエグい。心を痛めながらも、自殺か他殺か最後まで気になる展開だった。サンドラの表情が絶妙だったのと、スヌープ名演技すぎてびっくりした。
