2003年頃の実際の事件が基となった作品。革新的なファイル共有ソフト“Winny”がリリースされ、ネット上で瞬く間に大流行する。ところがWinnyによる違法アップロードが多発し、逮捕者が続出する。やがて開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑で逮捕されてしまう。不当逮捕に約7年かけて立ち向かった金子と、弁護士の壇の物語。
恥ずかしながらこの事件のことを全然知らずに鑑賞。包丁の例が分かりやすかったが、「オッペンハイマー」を観たばかりもいうのもあり、開発者と実際の利用者を一色単にしちゃダメだなと改めて身に染みた。こういう作品があるってことは、みんながそう思える世の中になったということ。革新的な技術だからこそ当時としては脅威だったのかもしれないし、実際どのくらい判決が難しかったのか分からないけど、世の中には結果的に才能を潰すのではなくその運用をしっかり考えてほしかった。そしてやや鈍臭くて憎めない、世の開発者を慮る金子さんの人柄がまた心苦しさを倍増させた。忘れちゃいけない作品。
