mare

落下の解剖学のmareのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.5
予告もタイトルもミスリードかと思わせるほどのザ・法廷映画で、落下の解剖ではなく家族間の解剖が行われる。この映画は真実を重要視しておらずそれをゴールとしていない。各々の主観と証拠のない発言で物語は進行していき、確証が持てないまま疑惑が増幅していく様はSNSにも重ね合わせることができる。社会性を見据えた一つの鋭利な切り取り方であるし、裁判の結果どうこうではない腑に落ちない浮遊感だけがしこりとなって残る。そんな世の中でも結局は二極化して答えが出てしまうのは残酷なシステムである。物語とは全く関係ないけどこの監督はヒップホップが好きなのかなとちょっと思っちゃった。
mare

mare