たつやん

枯れ葉のたつやんのネタバレレビュー・内容・結末

枯れ葉(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 2024年初映画鑑賞。短くて美しい風景が流れる、とても見やすい映画でした。

 内容としてはとてもシンプルで、いわゆる貧困層の中年男女が少しのきっかけで知り合い、すれ違いながら距離を縮めていく。
 棒立ちで無表情、淡々とした会話を重ねている二人の日常は寂寥な町、流れるBGMはラジオの歌謡曲やウクライナ戦争の報道。過酷な労働環境、明日の宿代も払えないような極貧の暮らしという中でも、二人のやり取りすれ違いがキュートでついクスリと笑ってしまう。
 思うに、アンサは廃棄のパンや処分寸前な立場の犬など、「捨てられそうなものを拾っちゃう人」、ホラッパ孤独で誰とも深く関わろうとしないけど、その寂しさを酒や煙草で「空っぽな自分を埋めようとしている」人なのかなぁなどと考えてしまったり。
 ラスト、二人が並んで歩くシーンでバックで流れる「枯れ葉」を聞き、幸せな日々は散ってしまって絶望が漂う中、それでも足元にはまだ幸せが残っているんだなぁと。そんな感想を抱きました。
たつやん

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