シャークウィザード

関心領域のシャークウィザードのネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

不気味で不穏さを煽る音楽が良かったです。

以下、ネタバレを含む感想。




























最初にタイトルが出るまで長いな~と思った。タイトルが出た後もしばらく暗い画面で不気味な音だけ流れ続けるから、不具合か?と思った。
ようやく映像が流れて一安心した。
アウシュビッツ署長のルドルフ・ヘスとその家族が暮らす姿を描いた作品。塀の向こうからアウシュビッツの建物が見え、頻繁に不穏な音や悲鳴が聞こえてくる。黒い煙も序盤で紹介された焼却炉との繋がりが見えてなる程と思った。
話の流れとしては、アウシュビッツの隣で穏やかに暮らすヘス一家。ある時ルドルフに異動の命令が下される。奥さんは今の暮らしが素晴らしく、家から出たくないと引っ越しを拒否。ルドルフは家族を残して単身赴任。しばらくしてまた戻って来れるようになるというもの。
音や会話、悲鳴が聞こえるが、直接的なシーンは無し。
また衝撃的、残酷なホラーシーンや、びっくりさせるシーンも一切無いからホラーが苦手な人でも見やすいかと。
ただ特に盛り上がるシーンや個性的なキャラ、先が気になるストーリー、予想外の展開といったものもなく、終始単調に感じた。
奥さんが自慢の庭と手入れをした花を紹介した後、花がそれぞれアップにされ、不気味な音楽が流れ出し、画面が真っ赤になる演出は好きだけど。

あとよく分からないシーンが何か所かあり、こちらの教養不足が原因かもしれない。
川で遊んでたらルドルフが流れてきた何かを見つけ、子供らに川から出るように促す→子供たちが泣きながら体を洗われている、死なないわよと励ます人々、洗面台に吹き付けられた黒い粉?これは川に汚染物質とかが流れてたってこと?
その後に電話でライラックの切り方について丁寧に行うよう命令するシーンがあるが、花が原因?
娘に読み聞かせをする時、白黒反転したシーンに切り替わって、リンゴを置いたり、袋からものを出したりする女性が映るけどよく分からなかった。
奥さんの母親がある朝急にいなくなってたけど、環境に耐えられなくて帰ったってこと?
子供については幼く、育った環境がアレで、教える人もいなければ疑問に思う事も無いということか。
アイヒマンとかヒムラーとか聞いた事あるけど、どんな人か知らないのは歴史を学んでこなかったこちらに非がある。
兄が幼い弟を植物園に閉じ込めたのはただの兄弟間の意地悪なの?
清掃員の人たちがガラスや床を掃除するシーンがあるが、あそこだけ映像の雰囲気が新しいと言うか、現代かと思った。
気分悪そうなヘス。
画面がまた真っ暗になり再び不気味な音楽が流れ出して、次は何が起こるのだろうと思いきやエンドロールが流れ始めた時は「えっ、これで終わり?」と思った。