シャークウィザード

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)のシャークウィザードのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ドラえもんの映画はここ数年クオリティの良いものを安定して作っており、今作も中々面白かったです。
登場人物勢ぞろいの演奏シーンはやはり映画館の大画面、音響で味わいたい。

以下、ネタバレを含む感想。

































リコーダーの演奏って一人変な音が出るとクラスがざわつくんです。リアリティがある。
見て驚いたのが、ドラえもんの世界はうまく現代のモノを取り入れていること。薄型テレビは前からあったけど、町の電光掲示板でライブの宣伝は流れるし、人々はスマホで音楽を聴いている。でも土管のある空き地やのどかな河原は残っているし、石焼き芋屋も走っている。新しいモノと昔からのモノが混ざり合ってもドラえもんの世界観は崩れていないのが見事。作品の持つパワーだろうか。同じようなことはサザエさんやちびまる子ちゃんではできないと思う。
愛のつい落とか、小惑星の欠片を持って帰る探査機とか、元ネタの分かりやすいパロディを上手く落とし込んでいると思った。
あらかじめ日記とはまた非常に強力な秘密道具だ。
「練習に付き合ってやってるんだぞ」と言われてプレッシャーを感じ、失敗するたびに汗がどんどん出てくるのび太君の姿がリアル過ぎて共感した。
河原で練習し、皆で音楽を奏でるの良い。キャラ達が楽しかったって言ってるのも良いし、聞いている私も楽しかった。
ジャイアンにブッ飛ばされたスネ夫の滞空時間が長い!
夜の学校、音楽室ってワクワクするね。
階段や手すりが光って音を奏でるの楽しい。
正直中盤まではワイワイ賑やかなものの、本作の目指すゴールや敵の正体、ファーレの殿堂やムシーカ人とのエピソードが中々見えてこないことがあり、ちょっとテンポの悪さを感じた。
秘密道具に頼らず練習するのび太君の姿が応援できる。お風呂だと音がよく響くという話を受けてお風呂場で練習するのものび太君らしい。
ムシーカ人を襲った大厄災が明らかに。星は違えど人間の愚かさが出てる。
喉を見たのに見落とす!?笛でないと治せないというが、皆のファーレで治せるんじゃないのと思った。実際にジャイアンとスネ夫がやってるし。と思いきや、やっぱり治せる。ちょっと展開に違和感持ったが、情報量の違いとすればしょうがないか。
白鳥の笛や冒頭からイメージとして出てきた白鳥がここに繋がるのかと感心。音楽・笛を通してのボーイミーツガールは沁みる。冒頭のシーンとミッカの存在はミスリードだったのか、巧い。
皆が楽器の練習をして技量の上達、楽器との絆が育まれるのは最後の盛り上がりに向けてだったのかと納得。
リコーダーの練習を通してのび太君の成長する姿がしっかりと描かれていたから、全員での大演奏会には感慨深いものがあった。
お風呂場での賑やかな音はこういう事か。
身の回りの音も音楽になる。
いっぱい練習しての演奏会は良いね。
今作はのび太君の努力・成長に重きを置いたのではないかと思った。

来年も映画公開があるの嬉しい。
魔法使いっぽいローブを着たドラえもんに、湖に囲まれた中世の雰囲気漂う街。
街の雰囲気がフリーレンの一級魔法使い試験の行われるオイサーストに似てるなと思った。
ドラえもんの恰好といい、まさかやるのか小学館ッ…!?ドラえもん×フリーレンを!?