Ayax

愛にイナズマのAyaxのレビュー・感想・評価

愛にイナズマ(2023年製作の映画)
3.4
石井裕也監督、まだ40歳なのに多作!私は実は一本しか観たことがなくて、唯一観た「舟を編む」は結構好きな作品。
現在、石井監督の「月」という作品も上映中で、さすがに同時期に撮影してるわけじゃないだろうけど、短期間でどんどん撮れる方なんだなあ。
今作「愛にイナズマ」は原作なしのオリジナルで、監督が脚本も書いている。過去作を見ると結構オリジナル脚本が多そう。
キャストは、松岡茉優、窪田正孝、池松壮亮、若葉竜也、佐藤浩市というそうそうたる顔ぶれ。脇役も仲野太賀、高良健吾、趣里、中野英雄(親子で出演!)と豪華。中でも私的には三浦貴大演じる助監督が嫌な奴過ぎて最悪で最高だった。クズ。でも、花子が彼らから受ける仕打ちにももちろん腹が立つけど、それ以上に花子の言動とか、カメラが壊れてて映像が撮れてないとかそういう社会人としての(プロとしての)不手際も多いように見えてイライラした。もちろんそういう台本で分かっててやってるんだけど、マジでイライラする。あんたたち、イライラさせるの大成功してるよ!それと同時に上手くいかない時ってこういういつもだったらできてることも何もかも上手くいかないよねとも思ってその点は共感。
話の筋とか映画全体的には私はあんまり乗れず。ギャグっぽいシーンや台詞は伝わったし面白かったけど。
主人公の花子が映画監督を目指してて、それは良いとして、家賃を3ヶ月以上滞納してるのに、何となく外を出歩いて動画を撮ったり、部屋で絵(絵コンテ)を描いてたりするのが何だか実在感がなさすぎて、気になってしまった。お金ないくせにバーとか行くんだもん。仲野太賀(落合という役)だってバイトに行ってたぞ!(それについて何か説明的なものあったかな、気付いてなかったらすまぬ)
私はこの映画を通して伝えたいメッセージをあまりキャッチできなかった。前半溜め込んだ鬱憤を後半で晴らしていく構成とかはわかるけど、あまり響かず。心死んでるのかも。タイトルの割に内容とか雰囲気が地味だったな。
Ayax

Ayax