石井裕也監督ご自身が上映中の｢月｣と
対になるであろうと言っていた本作。
久しぶりに日本映画の魅力が
詰まった作品が観られてなんだか
感無量です。
ここ数年、多作の石井監督が一貫して
描いているのは
｢社会の理不尽さへの怒り｣。
もちろん、それは意義のあることだけども、
あまりにも怒りの角度が鋭利で反作用を
起こすかのように今ひとつ没入することが
出来ませんでした。
が、本作はコロナ禍を経てからの
世の中の｢異常さ｣を浮き彫りにし、
怒りながらもコロナ禍以前からの
｢異常な家族｣が集まった後半からは
どこまでもピュアな人間賛歌に昇華させて
いく中に恋愛やコメディ要素も織り交ぜる、
そんな素敵な構成でした。
私が日本映画が好きな所のひとつが
役者が話すセリフが母国語であることと
巧みな日本語での会話劇なんですが、
それをこれでもかというぐらい堪能出来ます。
アベンジャーズのような、どこを切り取っても上手くて豪華な俳優陣。
はじめてお兄ちゃんを演じた池松くんと
やっと同じ画角に入ったのを観られた
若葉くん♡そして石井組常連と初参加の
ダブル主演のおふたり、素晴らしかった
です。松岡茉優ちゃんは｢進化版あざと系｣
ですね。すごく可愛かった。
余談ですが、実は｢月｣も
そして今回数年ぶりに当選した初日舞台挨拶も体調が悪すぎて参加することが
出来ませんでしたが、映画のように
腐らす、諦めず日々を頑張ります。
