Jun潤

さよならエリュマントスのJun潤のレビュー・感想・評価

さよならエリュマントス(2023年製作の映画)
3.9
2023.08.15

中島歩出演作品。
落ちぶれたチアリーディンググループによる青春群像劇。

山梨県甲府市で活動するチアリーディンググループ「エリュマントス」。
活動とはいっても、イベントは地方の小さなもので客も疎ら、マネージャーの宍倉は行く先々で問題を起こしてばかり。
笛吹市での営業の際に宿泊した旅館を起点に、メンバー達は仕事に対する想い、将来への希望と不安をぶつけ合っていく。

これはもはや中島歩の一人芝居作品。
胡散臭くて情けなさすぎる小心男を演じさせたら頭一つ抜きん出る俳優の一人ですね。
リナ以外のメンバーの、旅館やカウンター席での会話から宍倉のきな臭さは浮き出てきていて、ヤクザ(実業家)とその奥さん、そしてリナの3人対宍倉一人で本音と拳と蹴りをぶつけるシーンでは、カタルシスも発揮されていて抱腹ものでしたわ。

チアダンスムービーかと思わせて序盤と終盤のみにダンスシーンを詰め込み、あとは他愛のないことや大事な話を繰り広げていく会話劇。
出てくる女性陣がみんな等身大すぎて、今までやってきたことに対する不満や将来に対する不安など、経験則から温かい目で永く見守りたくなったり、自分の状況とのリンクを感じてしまったりと、飽きることのないなかなかの会話劇に仕上がっていましたね。

突然のぐだぐだアクションシーンはちょいと謎でしたが、セリフのチョイスとリベンジ大成功なオチを合わせると結果トントンちょい上です。
Jun潤

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