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瞳をとじてのsnatchのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.7
やはりビクトル・エリセは揺り椅子に腰掛け一目一目編んで映画を作っている、お婆ちゃんか!👵
この映画をSF映画の時空と並べたくなる
コツコツコツ…エリセの針時計。主人公はスマホではなく黒電話にして欲しいくらい。静かで瞳をとじそうになったが無事に終着


映画館の外は電車が走り
道路が縦横無尽に一斉に人が動く
スマホで買える映画のチケット
外は雨。映画館の座席が礼儀正しく並んでいる
さあ、全てが遠のきビクトル・エリセの時空が始まる
話しは特別ではなく意外だったのですが、映像に込められるつばさを広げたようにも心に目に吸い寄せていくようにも…その視線にあやかりたくなりました

冒頭のスクリーンいっぱいのほの暗い広間の大きな窓を開け、挿しこむピアノの音響が好き…と思ったら、年寄りの大きな男がピアノを弾いていた。ここと継ながる最後の女の子が出てくるあれらのシーンがやっぱ1番好き


映画フィルムを見たことがありますか
私は初めて見た時、あゝこの小さくて固いフィルムに撮った24コマが、やっと1秒なんだと映画の途方もない無限さを知り感嘆
映画フィルムの記録は消えない
私たちの記憶が薄れつつあっても
映画フィルムに片想いみたいな恋愛を続けるエリセ

主人公はエリセとも重なりすれ違う
若くして「ミツバチのささやき」を創ってしまった。どうやっても超えることはできない⇦断定🙇‍♀️エリセは創造者として苦しい思いもしたと思う。あの頃の映画仲間たちも現役から退いていくのだろう
また昔の名作を巡りたくなるが、この映画は冒険もしていたし心身をあずけられる
主人公の生気が甦っていく顔つきもよかった

ええっ!83歳でしたかあ…勝手なお願いとは思いますが、考え込まないでもっと気軽にポンポン創って欲しいなあ😳
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