「わたし達はおとな」の加藤拓也監督の最新作。
前作が若い人にしか刺さらない設定と不毛なストーリーラインだったので、見送るべきか迷いましたが結局観ることになりました。
前作よりには、大人の鑑賞に堪えられる内容になっていたとは思いましたが、結末の想像がつきやすい内容なので、映画を観たことで新たな何かを感じることは少なかったです。
主演の門脇麦さんを初めとする俳優の演技、そのトーンは素晴らしく、映像の切り取り方も洗練されていると感じますが、不倫、指輪、冷め切った夫婦関係、という題材、アイテムをどう使うかは、凡庸そのもので、特に後半は見応えがなかったです。
身近に起こりえそうなリアルな題材に対して、過去に同じような題材を扱った作品との既視感がから想像できる展開を越えられないモヤモヤを前作と同様に感じます。
物語を映画というフォーマットで魅せる以上は、作品が大量にあふれかえる時代の中で、今作だからこその輝き(オリジナリティ)のようなものを示していかないと、今後も厳しいように感じました。