DelayMan

哀れなるものたちのDelayManのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.5
自ら命を絶った主人公は天才外科医ゴッドによって孕っていた胎児の脳を移植し、ベラとして新たな人生をスタートさせる
ゴッドがベラを安全な世界で生活させ研究のために館に閉じ込めていたが、胡散臭い弁護士ダンカンに連れられて外の世界を知る旅に出るという話

見た目は大人頭脳は子供のベラ
社会の常識を何も知らなかったベラが興味の赴くままにさまざまなことを経験して知識や感情を得て人間らしくなっていく
物語の中で別人のように見た目も話し方も少し怖さを覚える程の急激な成長を遂げ、自分の知りたくなかった真実を知っていくという主人公の様子を観ていて思い出したのは昔観た「アルジャーノンに花束を」だった
映画の序盤からエンディングまでベラの過程を演じきったエマストーンの演技は圧巻

モノクロとカラー、世界観や演出も含めて140分と長めだが映画として引き込まれる作品だった
中盤以降のR18の理由にもなっているしつこいくらいの熱烈ジャンプは必要だったかなとも思った
男の愚かな部分、自分をコントロールしようとする男を振り回す強い女性像を無理矢理捩じ込んだ感じはした
その表現に対するメッセージもあまり感じないし、監督が男目線で描いているので余計に気持ち悪い 途中から不快になる

プロデューサーとしてもエマストーンは今作に関わっているらしい
エマストーンでなくても良いという意見も見たが、セルフプロデュースであそこまで振り切らなければ、エマストーンでなければこの作品は出来なかったと思う
毒々しいラストからのスタッフロールも良い

原題poor thingsで訳が哀れなるものたち
これももっと軽いタイトルだったら少し印象が変わるかもしれないとも思った
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