A8

哀れなるものたちのA8のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.4
空前絶後の冒険!
そのような見出しに引きつられて作品を鑑賞

確かに〜‼︎これは想像していたよりも大冒険物語。
そして、ただの大冒険じゃあない、、全くの純粋な右と左すらわからない主人公の旅路は、私たちが人生を進めることを引き換えにしてきた偏見や慣れ、諦めや現実を最も簡単に突き破ってくれるのであった。
そして、彼女の好奇心!自由!冒険!は、男たちをも惑わすのである。

性的な描写がかなり多く、納得のR-18といったところ。
素晴らしいのは、“性”というモノを一つの基準のようなものとして差し出していた気がした。
彼女が初めての性交を経てモノクロからカラーに切り替わるのだが、それは物語もしくは旅の始まりを意味していていた。
そして、、
性というものは気持ちいい→懐かしさ→お金を稼ぐ手段→愛?のようなもの
といったように彼女の成長の基準をひとつ提示しているようでもあった。

ゴッドの助手の純愛さに地味に胸を打たれる。

マークラファロ演じる男のクズっぷりは圧巻!

最後の「メ〜」
あの男とヤギ、ゴッドの文章と手術台、、
大体想像がついていたのだが、、かなり面白く、スカッと最高。
それだけではなくちゃんと作品の締まり方も良かった。

船に乗り合わせた黒人とマダム。彼女があれだけ賢くなったのはこの2人の出会いのおかげのような気がした。
学、世の残酷さ、そしてユーモアと余裕さ
彼女が大きく成長するきっかけとなった。

自由と冒険。
確かに、険しい道のりで命の危機もあるだろう。だが、その見返りは代償が命だろうと差し出していいほど、、
それくらい魅惑に溢れている生き方なのである。
そうして、とんびは鷹へと成長するのであろう。

鮮やかで奇抜で、、印象的な映像の数々!
もはや中身じゃなくてこの画を見てくれといわれても「はいわかりました!」と素直にいえるほど唯一無二の美しさ。
でも、この美しい画が二の次にくるほど骨太なストーリー、“脳は赤ちゃん身体は大人”そんな彼女の旅は、私たちに“自由と冒険”の美しさを遺憾なく伝えてくれる。
そして、期待してなかった“笑い”が出るほどの満足感。
彼女の乗りたい“船”は決まったようだ、これから始まる旅にどんな出会いがどんな感情が待っているのだろうか。そして彼女はどんな港を選ぶのだろうか。
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