Bluegene

哀れなるものたちのBluegeneのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

自分の胎児の脳を移植されたベラが果敢に世界を探検し、自立した人間として成熟していく様子を2時間半弱にぎゅっと凝縮して描いた鬼作。ストーリーもさることながら、衣装やセットが素晴らしい。特にダンカンと乗った客船の造型は秀逸。

マイクと結婚して大団円…かと思ったら過去の清算が待っていた。ベラの元の人格であるヴィクトリアは臨月の身で投身自殺したことが序盤に描かれる。なんらかの虐待の被害者なのだと思っていたが、歪んだ夫のために加害者に転じたのか、それとももとからそういう人間だったのか。真相は闇の中だが、娘であるベラが復讐を果たした。

最後は瀕死のゴッドに新しい体を与えるのかと思ったら将軍はヒツジにされていた。ゴッドの精神は父親に毀損された肉体と分かち難く結びついていたので、脳を移しかえれば済むものではなかったのだろう。フランケンシュタイン物語の換骨奪胎なのだと思うが、こういうハッピーエンドが待っているとは思わなかったなー。視聴後、なかなか清々しい気持ちになった。
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