哀れなるベラが「面白そうかどうか」の判断基準だけで突っ走る大冒険活劇。周りは散々。
プロモーションが上手くいって話題作になっているけどこの監督初見の人がどう感じるのかいろいろ心配になる作品。
美術と音楽の至高のクオリティ、あまりにもクセの強い脚本とカメラワークは健在で、たとえオスカー狙いでもランティモス節を強烈に発揮していたのは驚愕だが、明らかにベクトルは社会へと向けられており、劇中の"成長"とシンクロしているようでとても興味深かった。
役者もノリノリで地獄のような内容にも関わらず終始華やかなエネルギーがほとばしっていたのも素晴らしい。
デカい音出せばいいってもんじゃないという大団円も本当にデカい音で最高。
「世界とは何か?」この問いの意味と無意味を無垢な視線で問いかける。
9割方無意味だ。