Jun潤

#ミトヤマネのJun潤のレビュー・感想・評価

#ミトヤマネ(2023年製作の映画)
3.6
2023.08.25

玉城ティナ主演。
それ以外の情報を入れていませんでしたが、あらすじだけ軽く読んでみるとSNSを扱ったシリアスな感じ。

大人気インフルエンサー、ミトヤマネ。
彼女は若者を中心に、非現実的な現実さを理由に注目度を高めていた。
ミトヤマネは、顔を出す姉のミト、彼女のマネジメントをする妹のミホ、そしてプロデューサーの田辺によって創り出されていた。
ネットの活動から、外ロケや芝居へと広がっていき、ついに中国が世界に向けて放つディープラーニングアプリのアジアの顔としてオファーが来るにいたる。
そのアプリによってミトアマネの顔は世界中に拡散されるが、やがてテロリズムやポルノなど、道理に反する使用までされ始める。
ミトヤマネの今後を危惧するミホと田辺とは逆に冷静さを保つミト。
騒動はやがて、予想だにしない結末へと向かってゆくー。

ストーリー自体は良かったですね。
インフルエンサーにディープフェイク、制御の効かない炎上や急速に移り変わっていくトレンドと、最近の情報が溢れている社会が反映されていたと思います。

しかし、意味深そうに観せておいて一切回収されなかった場面も多く、せっかくシンプルなストーリーが一本通っているのだから、ちょっとオシャレに、アーティスティックに観せようとはせずにもっと濃厚な作品にして欲しかったところ。
そういう意味では、今作の78分という尺でも長いくらいで、世にも奇妙な物語ぐらいのボリュームに抑えても成立しそうな印象です。

隣の家のおばさんや特に出る意味のなかった弁護士、芸能界に擦れた女優など、出演時間の割に豪華なキャスト揃えすぎなんですよ。

一応作品として意味のあった場面だけ抜粋していくと、結末としてはミトヤマネは一度死んで蘇り、ミトは誰もが知る存在から誰も知らない存在に、おそらく偶然ではなく全部ではないにしろある程度は計画的に、変身を叶えられたんだろうなと思います。
そうすると「誰もが一瞬でも世界的に有名になれる社会」というような冒頭テロップにだいぶ意味が含まれますね。
オープニングムービーはよかった。
しかしミトはどうやって池袋シネマロサから渋谷のスクランブル交差点にすぐに移動したのでしょうか……。
Jun潤

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