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ボーン・スプレマシーのytのレビュー・感想・評価

ボーン・スプレマシー(2004年製作の映画)
3.7
ジェイソン・ボーンシリーズの第2作目。インドのゴアで恋人マリーと共に静かに過ごしていたボーンが、ベルリンで起きた事件から犯人に仕立て上げられ、組織に立ち向かうため奔走するアクション・サスペンス。前作よりもアクションのレベルが上げつつ、サスペンス要素はきっちりと残してある見応えのある続編。マット・デイモンは前作と本作で完全にアクション俳優へと進化しただろう。

[レビュー]
・前作を一度観直した上で鑑賞したが、正解だった。前作はボーンが自分は一体誰なのか、と敵対視する相手はどらかというと自分自身であったが為に、ストーリーの内容も比較的分かりやすかった印象。しかし本作はその前作との繋がりが多く、自分自身の過去の出来事を思い出していく上に、敵対する組織がいる為、目まぐるしく状況が変化する。そのため、事前知識があると頭にスっと入ってきやすいように感じる。

・ストーリーは、続編として文句無い内容だった。早々に前作での主要キャラが引き上がるのは驚いたが、そのおかげもあってか余計な恋愛シーンなどが削ぎ落とされていたため、レベルの高いサスペンスが楽しめた。特にラストシーンは、数ある映画の中でもかなり好きな部類に入る。ネスキーの娘にあることを告げ、去っていく。地味で暗くて重いけど、それが返ってボーンの心情や今までの人生を物語っているようで個人的には良かった。

・アクションシーンも良い。特にロシアでのカーチェイス。あれは見ものである。カーチェイスというと、以外にも主人公が運転する車はそこまで他の車や物にはぶつからずに進む事が多い中で、本作のカーチェイスはボーンの車がボッコボコにぶつかっていく。最後なんてボーン血まみれだよ。無敵!最強!って訳でもない、人間らしさが滲み出てる良いアクション。

・パメラ・ランディを演じたジョーン・アレンの演技が個人的には良かった。状況的にボーンにとってパメラが敵となる時があるが、本当に上手すぎた。バリバリに仕事が出来る雰囲気と、気性の強い女性感がもろ出てた。ランディは最後、次作へ繋げる伏線?のようなことをボーンに告げているので、次作への期待が一気に高まった。

・そういえば、ボーン役のマット・デイモンはかなり身体を絞ったように見える。前作は身体が出来上がってるのに何処か弱々しい雰囲気が出てたけど、今回はガッツリ絞って雰囲気からして変わってたのが良かった。

👉前作「ボーン・アイデンティティー」に続き良作であった。この緊張感と高揚感の高まりを持続させつつ、次作でこれを消化することが出来るか大いに期待が高まる作品である。
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