yt

ボーン・アルティメイタムのytのレビュー・感想・評価

ボーン・アルティメイタム(2007年製作の映画)
4.0
ジェイソン・ボーンシリーズの第3作目。ひとまず三部作の最終章にあたる作品。前作に引き続き自身の過去を記憶と共に辿るボーンは、情報を持つ記者と立ち会うものの失敗。残されたメモを頼りに、ボーンは過去の出来事の清算に挑むサスペンスアクション。ストーリー、アクションと共に深さは増し、マットの演技も相まって感情のボルテージは最高潮。シリーズの中でも満足度の高い一作となる。

[レビュー]
・前作よりもアクションは控えめな印象で、ボーンの真実に迫るストーリーなことから会話や心理描写が多く描かれていたため、シリーズを通して観てきた自分からするとめちゃくちゃ面白かった。序盤の記者とのやり取りや、断片的な記憶から徐々に真実へと近づいていくシーンは見応え抜群で、段々と物語のピースが埋まっていく感覚はSAWシリーズに近い何かを感じるほど。本作も色恋沙汰などは一切無く、シリアスな展開が続くため息を吸うのを忘れてしまうほどに入り込める。

・とはいえアクションシーンも見応えがある。カーアクションというよりはバイクアクションの方が印象に残っていて、絶妙にブレる撮影方法が鑑賞者の感情を高ぶらせる。マットの演技も上手いため、よりアクションの質には磨きがかかっていた。

・前作でのラストシーン、何か次作への伏線というか違和感があるとは思っていたが、まさかの展開に驚き。ここで来るか!という感情と、監督の粋なストーリー展開には思わず声が出た。本作のラストシーンも、何だかニヤッとしてしまうような結末。どこまで面白いんだよこのシリーズは!

・本作及び前作は、面白いもののやはり一作目の「ボーン・アイデンティティー」があっての作品だなと改めて気付かされた作品でもある。ボーンが自身は一体誰なのか、名前も何をしていたかも分からない、というような状況からスタートした姿を今まで追ってきたからこその面白さがここにはある。

・パメラは本当に良い立ち回りをするね。キャラ立ちとしては前作より本作の方が好き。また、ニッキーがあんな所でボーンと接触するとは思ってもいなかった。一作目ではあまり印象に無かった彼女がここまで重要なポストになるとは想像つかなかったね。

👉ボーンシリーズとしては、三部作の最終章に相応しい出来の一作。まだ観たことない人は、是非一作目から通して観て欲しい。
yt

yt