yt

ボーン・レガシーのytのレビュー・感想・評価

ボーン・レガシー(2012年製作の映画)
3.2
ジェイソン・ボーンシリーズの第4作目。立ち位置的にはスピンオフと言える。3作目「ボーン・アルティメイタム」の裏側で起きていた、アウトカム計画抹消に動くCIAと対立するアーロン・クロスが、巻き込まれる陰謀に戦っていくアクション作品。監督は1作目から脚本に携わっていたトニー・ギルロイ。

[レビュー]
・ボーンシリーズの中でも味変の無い普通なアクション映画という印象。アルティメイタムと同時並行に裏側ではこんなことが…というストーリーの着想は面白くトニー・ギルロイやるな、とは思ったが前作までの三部作が面白すぎたが故にそこまで個人的には跳ねなかった。というより、ボーンシリーズはマット・デイモンを観てると言っても過言では無いからね。ジェレミー・レナーが悪いとかでは無く、単純にマットが出てないから評価が割れるというのもあるのかな。

・個人的に、マット・デイモン演じるジェイソン・ボーンと、ジェレミー・レナー演じるアーロン・クロスの人物像の若干の対比は好ポイント。ボーンはやる事1つに失敗が無く、アクションシーンも逃げるというよりはケリをつけて行動する。しかし、アーロンは終盤のバイクアクションもどちらかというと逃げてばっかりなイメージだし、ボーンの完璧さが分かってるからこそ、やること1つが軽いなと思ってしまった。だが、そんな荒削りなアーロンと完璧なボーンは人物像として上手く2人を対比出来ていたので、全く似てないからこその良さがあった。

・惜しいところで言うのならば、まず序盤の入りかな。展開が遅かった。アウトカム計画の話も徐々に分かるのだが、それを理解するまでに時間がかかっていた。研究所の事件辺りから段々とギアが上がったイメージ。終盤にやっと大掛かりなバイクアクションが入ったが、そこは面白かった。追う敵の1人がバイク乗りながら強奪したり、市民の怪我など気にせず突っ込んでくるのには笑ったけど。

・ボーンシリーズは、2作目3作目とヒロインと呼べるヒロインが存在せず、ボーン1人で孤独に戦ってきたからこそのシリアスさというか、冷酷さがあって良かったが、本作は逆にレイチェル・ワイズが居たことで画面の華を保てていたようにも思える。綺麗だった。エドワード・ノートン、ハルクのイメージがあったけどレガシーに出てたとは。指揮を取る姿は緊迫感あって良い。

👉評価は分かれるが、ボーンシリーズというよりアーロンの話として観れば面白くはある。とはいえストーリー、アクション共に期待してしまった自分がいたので、惜しい作品。ボーンシリーズを最初からちゃんと追っていると繋がりが見えて面白いので、しっかり三部作を観てから観ることをオススメする。
yt

yt