"さあ、金持ちを喰いちぎれ!"
"クソ野郎を咀嚼しろ!"
motorheadのeat the richが鳴り響くオープニングだけでも映画館で観る価値あった(eat the richでとっさにエアロスミスが浮かぶ人は自身のロック観を問い直した方がいい、アナタは自分が思ってるより悪しきマーケティングに絡め取られている可能性が高い⚠️)。
本作のことはmotorheadファン、レミー崇拝者だから存在自体は知っていた。
観ることは難しいと諦めていた。まさか劇場公開してくれるとは思わなかった。
唐突ではない。これは今、我が国で公開するに相応しい映画だった。必然性しかない。
新自由主義経済の浸透で格差が拡大し過ぎたイギリス。金持ち相手の高級レストランを解雇されたのウェイトレスのアレックス(黒人女性)は福祉からも門前払いされホームレスになり、同じ境遇の困窮者達と反乱を起こす。
この金持ちだけが優遇され庶民は搾取され斬り捨てられるだけな世情がまんま我が国なんだよな。現在の日本の風刺かと思った。
「貧乏人が貧乏なのは努力が足りねぇんだー😤」と粗暴にアジる首相候補ノッシュ内務大臣、それを聞いて「イエー👊😆🎵」と喝采を送るアホな庶民の群れ。
「あんたが国のお荷物じゃないと判断できない」と飲まず食わずで窓口にきた困窮者を見下し侮辱し門前払いにする福祉課の職員。
こんな描写がモンティ・パイソン的なシュールなコント調でホイホイ出てくる。
あまりに身近なヘル・ジャパンなこれらの描写にヤられた。青ざめながら哄笑したよ笑(我々はサッチャー🇬🇧政権時の弱者に冷酷で強者のみが肥え太る地獄に生きている🤣嗚呼…)
後半はアレックスと仲間達vsノッシュ内務大臣と富裕層のバトルになる。
その過程でアレックスは仲間と共に元の職場である富裕層向けレストランを襲撃して乗っ取る。
そして何故か営業を初める。提供した肉🥩が美味いと金持ち達に評判になり連日店は富裕層で大入り。なんとその肉🥩はアレックス達が殺した金持ちどもの肉だった!在庫が無くなったら客を殺して調理して他の客に食わせる🥩
店名は「EAT THE RICH」!クソ野郎(傲慢な金持ち)にクソ野郎(冷酷な金持ち)の肉🥩を食わせるというサイコーに皮肉な復讐🥩🤣🤣
人肉🥩と知って狼狽え嘔吐する🤮🤮金持ち達の醜態は愉快痛快だった笑
スウィフトの『穏健なる提言』のパロディになってるのが知的な皮肉が効いててかっこいい。
正直、革命や暴動のカタルシスより新自由主義の悪夢の黒い風刺に比重を置いたアレックス・コックスを想起させる演出とストーリーはオフビートな故にスカッと抜けきれないが、痛快ポイントもある。
特に主人公の黒人女性アレックスは名言製造機で心に響くセリフが多い。
困窮者を嘲笑う福祉課職員に「あんたの仕事は困窮者を救うこと、拷問するな」と一喝したり。反乱の理由を問われ「人はいずれ死ぬから、金持ちを道連れにする」と。
このセリフ、超絶感銘受けた!胸に刻んで生きるよ😏
あと、レミーはちょい役かと思いきや主要キャストで出演時間が長くライヴシーンまであって嬉しかった。しかもドラムがフィルシー・アニマル・テイラー、ギター🎸がフィル・キャンベルとワーゼル。初の4人編成時であり、おれが初めてmotorheadを見た時のラインナップなんで感慨深い。ジーンとした🥺
ポール・マッカートニー、ビル・ワイマン、シェイン・マガァワンは思い入れないんで感慨なし。ハイスコアなのは勿論motorhead加点だぜ😬💨