maro

怪物の木こりのmaroのレビュー・感想・評価

怪物の木こり(2023年製作の映画)
3.5
2023年日本公開映画で面白かった順位:155/167
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

※以下、敬称略。
原作小説は未読だけど、宣伝文句通り、サイコパスと連続殺人鬼が戦う映画。
なんだけど、洋画でよくあるようなスプラッターな感じを期待していくと、まったくそんなノリではないので、ちょっと物足りなさはあった(笑)

予告詐欺とまでは言わないけど、「サイコパス VS 連続殺人鬼」っていう構図に、ハリウッド映画でよく目にする、内容は薄いけど血肉が飛び散る視覚的インパクトの強い映画という印象を受けたんだよね。
でも、そういったシーンは冒頭のみ。
予告にもあるけど、ひっくり返った車のドライバーの首を切って血がブッシャアアアアって出たときだけで、それ以降はそのインパクトを超える画はない。
よくよく考えれば、主演は元ジャニーズだし、製作委員会だって13社もの企業が名を連ねているのだから、そんなぶっ飛んだ映画になるわけないよなって(笑)
結局、ホラーやスリラーというよりも、サスペンス色の強い映画で、一連の殺人事件の犯人を刑事たちが追っていくという、とてもオーソドックスな話だった。

捜査を進めていくうちに、サイコパスたちの秘密が明らかになり、ラストのオチにつながっていくんだけど、個人的には二宮(亀梨和也)のサイコパス度をもっと上げてほしかったなあ。
サイコパスを押し出している割には、そこまでやべぇやつっていう感じがしなかったし、実際の殺人や暴力に関わる件数も少ない。
例えば、ニコニコしながらムカつくやつの耳に突然鉛筆をぶっ刺すとか、職場の同僚を精神的にじわじわ追い詰めるとか、そういうヤバさがあってもよかったかも。
そんなサイコパス感が薄い中でのあのラストだから、衝撃の結末というよりは、「まあそうだろうな」と変に納得できてしまうものだった。
亀梨和也のダークな役どころはよかったけど、どうせなら最後までもっとサイコパスを貫いてほしかったなあ。
意外と平和に終わってしまったから。

そんなわけで、そこまで怖くもグロくもない映画なので、やや宣伝に煽られている感じがする。
こういうのはハリウッド映画の方がぶっ飛んでて楽しめそう(笑)
ただ、その中でも中村獅童の役どころはよかった。
『首』(2023)に続き、インパクト強い、、、!
maro

maro