じぇいらふ

さよなら ほやマンのじぇいらふのレビュー・感想・評価

さよなら ほやマン(2023年製作の映画)
3.6
結構評判が良かったので観る。予告編から想像する映画とは全然違っていました。さよならほやマン言うから、正義のほやマンがもっと絡むのかと思いきや、、、そういう話ではなかった笑。すごい刺さった!という作品ではないですが、いい感じで終われる作品です。

🎞️正義の味方ほやマン登場!ホヤの美味しい食べ方映像 海からホヤを取って来た若い男 家には弟がいる そんな島に、、、口の悪い青い髪の女がやって来た〜はじまり

📖東北のある島。ホヤ漁師の兄とお家にいつもいる弟。震災で両親が行方不明となり、借金を抱えて人生ピンチの二人。そんな彼らの家に都会から見知らぬ旅の女性がやって来て、兄弟に札束をちらつかせ「この家を買う!」と言ってきた。彼女は実は有名な漫画家らしい。納得しない兄を無視して強引に、、、奇妙な3人の共同生活がはじまる。。。というおはなし

監督長編デビュー作らしく、ストーリーや演出は全体的にラフで勢い~な印象ですが、役者さんが凄くいいです。主人公の兄アキラ役はミュージシャンのアフロがはまり役です。実際に島にいる若者の存在感。初役者デビュー。弟シゲルの黒崎煌代は最近注目の若手俳優です。彼も映画デビュー作。そして一番素晴らしいのは、訳あり謎漫画家女性美春役:呉城久美です。口悪い、態度悪い、、、でもある場面ではとても愛情を感じる、兄弟2人より年上の女性のいろんな立ち位置を見事に演じてます。知らない女優さんでした。良いですね。ちょっと注目です。
基本この3人中心でお話が進むのですが、そこに年配の島のおばあさんとして(久々に松金観た!)松金よねこが凄い良い深いキャラクターで絡んできます。「年寄りもずっと悩んでる」名言!

美しい海辺ののんびりした島を舞台に、結構わちゃわちゃやってたのが、東北の震災という暗い過去と、ここから出て行きたいのに出て行けない若者の葛藤という結構闇病みな要素があって、田舎舞台の作品にありがちな都会目線の理想的な田舎展開がないのがいいですね。

3人それぞれの葛藤と決断は、、、最後の終わり方に救いがあるのが良いです。